遅い/更新日 2026-10-17

テレワークの回線はマンションで足りる?ビデオ会議に必要な速度と安定させる方法

結論:ビデオ会議1本に必要な帯域は、Microsoft TeamsやZoomの公式値で数Mbps程度です。マンションで問題になるのは数字の大きさより、夜や昼の混雑、Wi-Fi、上りの速さといった「安定性」です。まず有線でつなぎ、会議の時間帯に速度を測り、建物の配線方式を確かめる順番で進めると、原因と対策を絞り込めます。

結論:テレワークに必要なのは「速さ」より「安定」

テレワークでいちばん回線を使うのは、ビデオ会議です。メールや資料の作成、クラウドでのファイル共有は、会議ほど継続して帯域(一定時間に送れるデータ量)を使いません。

Microsoftの公式ドキュメントでは、Teamsのビデオ会議の推奨値は上り2.5Mbps・下り4Mbpsです。光回線の「最大1Gbps」と比べると、ずっと小さな値です。それでも会議が途切れるのは、回線の最大速度ではなく、その瞬間に使える帯域が足りないか、通信が不安定になっているためです。

マンションでは、建物まで来た回線を住戸で分け合う仕組みが多く、時間帯によって使える帯域が変わります。この記事では、必要な帯域の目安を公式値で示したうえで、不安定になる原因と、費用の少ない順の対策を説明します。マンションのネット全般が遅い場合の切り分けは、マンションのネットが遅い原因と対策で詳しく解説しています。

ビデオ会議に必要な帯域(公式値)

TeamsとZoomが公開している帯域の目安をまとめました(2026年10月17日に各公式ページで確認)。単位はMbps(1秒あたりのメガビット数)で、1Mbpsは1,000kbpsです。

サービス・用途最低限推奨・標準高品質
Teams 音声(会議)上下0.01Mbps上下0.058Mbps上下0.076Mbps
Teams ビデオ(1対1)上下0.15Mbps上下1.5Mbps上下4Mbps
Teams ビデオ(会議)上り0.15・下り0.2Mbps上り2.5・下り4Mbps上下4Mbps
Teams 画面共有(会議)上下0.25Mbps上下2.5Mbps上下4Mbps
Zoom 1対1 720p上下1.2Mbps
Zoom 1対1 1080p上下3.8Mbps
Zoom グループ 720p上り2.6・下り1.8Mbps
Zoom グループ 1080p上り3.8・下り3.0Mbps

Teamsの値は1台の端末あたりです。Microsoftは、パソコンとスマホの両方で同じ会議に参加すると2台分になると説明しています。また、推奨値は最大1080pの映像を想定し、帯域が足りないときは映像より音声を優先すると記載しています。Zoomは、帯域は参加人数や解像度で変わるため、会議中の統計画面で実際の使用量を確かめるよう案内しています。

家族と同時に使うときは足し算で考える

同じ家で2人が同時にTeamsの会議に入ると、推奨値の合計は上り5Mbps・下り8Mbpsです。そこに動画の視聴やゲームのダウンロードが重なると、使える帯域が足りなくなることがあります。在宅の人数と、会議が重なる時間を先に把握しておくと、必要な余裕を考えやすくなります。

上りの速さも見る

ビデオ会議では、自分の映像や画面を送る「上り」も使います。速度測定では下りだけでなく上りも確認してください。測り方と目安はネットの速度の測り方と目安で説明しています。

マンションで会議が不安定になる主な原因

1. 建物の回線を住戸で共有している

マンションでは、建物まで引き込んだ光回線を共用部の機器で分け、各住戸へ届ける方式が一般的です。利用者が多い時間帯は、1戸あたりに使える帯域が小さくなります。NTT東日本は全戸加入プランの説明で、実際の速度は端末や回線の混雑状況によって大幅に低下する場合があると記載しています。

2. 配線方式に上限がある

共用部から住戸までの配線方式によって、最大速度が変わります。NTT西日本のフレッツ 光ネクストでは、マンションタイプのVDSL方式とLAN方式は最大100Mbpsと表示されています。光配線方式なら、最大概ね1Gbpsのプランを選べる場合があります。

配線方式住戸までの配線最大速度の例(NTT西日本 フレッツ 光ネクスト)テレワークでの注意点
光配線方式光ファイバー最大概ね1Gbps(隼)、最大200Mbps、最大100Mbpsのプランあり建物で共有する部分の混雑は残る
VDSL方式既存の電話線最大100Mbps上限が低く、家族の同時利用で余裕が小さい
LAN方式LANケーブル最大100Mbps配線の規格や共用部の機器で上限が決まる

いずれもベストエフォート(最大値をめざすが保証はしない)の値です。自分の部屋の方式は、マンションの配線方式の確認方法で見分けられます。方式ごとの最大速度は配線方式別の最大速度の早見表にまとめています。

3. Wi-Fiが原因になっている

回線に問題がなくても、ルーターから離れた部屋や、壁・床をはさむ場所ではWi-Fiが不安定になります。電子レンジやほかの住戸のWi-Fiの電波が影響することもあります。有線でつなぐと安定するなら、原因はWi-Fi側です。

4. ルーターやパソコンの設定・性能

古いルーターや、LANポートが100Mbpsまでの機器を使っていると、回線の性能を生かせません。VPN(会社のネットワークに安全につなぐ仕組み)を使う場合は、VPNの経路が混んでいることもあります。会社のVPNを経由したときだけ遅いなら、勤務先の情報システム担当に相談してください。

自宅の回線がテレワークに足りるか確かめる手順

  1. パソコンを有線でつなぐ:LANケーブルでルーターに直結し、Wi-Fiの影響を外します。
  2. 会議をする時間帯に測る:朝・昼・夜など、実際に会議がある時間に下り・上り・Ping(応答の速さ)を測ります。
  3. 会議アプリの統計を見る:Zoomは会議中の統計画面で実際の使用量を確認するよう案内しています。Teamsでも通話の状態を確認できます。
  4. 家族の利用と重ねて試す:動画視聴などと同時に会議をしたときに途切れるかを確かめます。
  5. 配線方式と建物のネットを確認する:VDSLか、全戸一括インターネットかで、取れる対策が変わります。

測った結果をもとに、どこが原因かを判定したいときはマンションのネットが遅い原因と対策の診断ツールを使えます。

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テレワークの回線を安定させる方法(費用の少ない順)

対策効きやすい場面費用注意点
パソコンを有線LANでつなぐWi-Fiが原因のときLANケーブル代程度部屋の差込口や機器の規格を確認する
ルーターの置き場所・周波数帯を見直す部屋によって途切れるときなし詳しくは下のリンク
会議の時間に大容量の通信を避ける家族の利用と重なるときなし更新ファイルのダウンロードなども対象
会議の映像を下げる・カメラを切る帯域が一時的に足りないときなし音声だけなら必要な帯域は大きく下がる
IPv6(IPoE)に対応させる夜に遅くなるときプロバイダや機器による建物のネットが対応しているか要確認
ルーターを交換する機器が古いとき機器代建物のネットの設定に合わせる必要あり
個別に光回線を引く建物の回線そのものが混むとき月額・工事費管理側の確認と工事が必要
モバイル回線を予備として持つ回線の障害時に備えたいとき月額・機器代電波の状況は部屋で変わる

まず有線化と置き場所

費用がほとんどかからず、効果を確かめやすいのが有線化です。ルーターから作業する部屋が遠い場合は、置き場所を変えるだけで改善することもあります。具体的な方法はWi-Fiが遅いときの改善方法で解説しています。

IPv6とルーターの見直し

夜だけ遅くなる場合、IPv6(IPoE)という接続方式で混雑を避けられることがあります。建物のネットや契約によって使えるかが変わるため、マンションのIPv6の確かめ方で条件を確認してください。ルーターを自分で替えるときの注意はマンションでルーターを交換するときの注意点にまとめています。

建物のネットの有料オプション

全戸一括インターネットの事業者によっては、通信の経路を分ける有料オプションを用意していることがあります。内容と料金は建物や事業者で違うため、建物に入っている事業者の公式案内で確認してください。事業者ごとの情報は全戸一括インターネット事業者の一覧から調べられます。

個別回線を検討する目安

有線でつないでも、会議の時間帯に必要な帯域を下回ることが多いなら、建物の回線や配線方式が原因の可能性があります。この場合、宅内の工夫だけでは改善が限られます。

次の選択肢は、自分の光回線を個別に引くことです。全戸一括のネットがあっても、建物の設備と管理側の判断によっては個別に契約できます。手順はマンションで光回線を個別に引く方法、賃貸での許可の取り方は賃貸で光回線の工事をするときの許可で説明しています。工事ができない建物では、ホームルーターも候補になります。公式スペックの見方はホームルーターの比較を参照してください。

注意:テレワークで使う回線や機器は、勤務先の規定で決まっている場合があります。VPNの利用、私物のルーターや公衆Wi-Fiの扱いなどは、回線を変える前に勤務先のルールを確認してください。

働き方別のチェック表

同じテレワークでも、会議の量や家族の在宅状況で、気にするべき点が変わります。自分に近い行を目安にしてください。

働き方まず確認すること考えたい対策
会議は少なく、資料作成やメールが中心大きなファイルの送受信にかかる時間Wi-Fiの見直し、有線化
1日に何本もビデオ会議がある会議の時間帯の上り・下り、途切れる頻度有線化、会議中の大容量通信を避ける、IPv6の確認
家族も在宅勤務やオンライン授業をする同時に使うときの合計の帯域会議の時間をずらす、映像の画質を下げる、回線の見直し
会議の録画や大容量のアップロードが多い上りの速度上りの余裕がある回線や配線方式の検討
回線が止まると業務が止まる障害時の代わりの手段モバイル回線などの予備、勤務先との連絡手段の確保

Microsoftは、Teamsの帯域の詳細を公式ドキュメントで公開しています。会社のネットワーク担当者が管理している場合は、推奨値とあわせて社内の基準も確認しておきましょう。

まとめ

ビデオ会議に必要な帯域は、公式値で1本あたり数Mbpsです。マンションで会議が不安定になるときは、有線化と時間帯別の測定で原因を切り分け、Wi-Fi、機器、建物の回線の順に対策を考えます。建物の回線が原因なら、個別回線などの選択肢を管理側に確認しながら検討しましょう。

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よくある質問

テレワークのビデオ会議には何Mbps必要ですか?

MicrosoftはTeamsのビデオ会議の推奨値を上り2.5Mbps・下り4Mbpsとしています。Zoomは1080pのグループ会議で上り3.8Mbps・下り3.0Mbpsを目安に示しています。家族が同時に使う場合は、その分を足して考えます。

マンションのVDSLでもテレワークはできますか?

VDSL方式の最大速度は100Mbpsで、ビデオ会議の推奨値自体はそれより小さい値です。ただし、建物の利用者が多い時間帯や家族の同時利用で余裕が小さくなることがあります。会議の時間帯に有線で測って判断してください。

Wi-Fiと有線ではどちらがテレワークに向いていますか?

電波の影響を受けない有線LANのほうが安定しやすいです。Wi-Fiでは途切れるのに有線では安定する場合、原因はWi-Fiの環境にあります。会議が多い人は、作業する場所まで有線でつなぐ方法を検討してください。

夜だけ会議が途切れるのはなぜですか?

建物の回線を住戸で共有していると、利用者が多い時間帯に1戸あたりの帯域が小さくなります。IPv6(IPoE)で改善することもありますが、建物のネットが対応しているかによります。改善しない場合は個別回線を検討します。

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出典・確認日

確認日:2026-10-17。官公庁・メーカー・事業者の公開資料を確認して作成しています。確認できなかった事項は推測で書いていません。

  1. Microsoft Learn Prepare your organization's network for Microsoft Teams
  2. Zoom Technical Library Calculating bandwidth usage for Zoom Meetings and Phone
  3. NTT西日本 フレッツ 光ネクスト
  4. NTT東日本 フレッツ光 全戸加入プラン

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